こんな意味で使うの?と言いたくなる動詞たち

veg out 〈根が生えたように〉動かない

野菜(vegetable)は動物とは違い、しっかりと地に根を生やしてその場所から動かない(動けない)。このスラングはこの vegetable の動詞形 vegetate (〈植物のように〉成長する)から生まれたもの。したがって「どっかりと座って、簡単には動かない」という意味になるわけだ。しばしば、こういった植物の生態から無気力さを暗示させることばでもある。
例えば、Yesterday I stayed at home and vegged out.(きのうは何もしないでずっと家にいたんだ)などと使う。映画『プリティー・ウーマン』には”We’ll just veg out in front of the TV.”(何もしないで、テレビの前で動かないでいようね)というセリフがある。

turn on 夢中にさせる

絶世の美人を見て、すごく興奮した様子を表現するのにピッタリなのが turn on だ。”She really turned me on.”(彼女にしびれちゃったよ)などと言う。turn on は、もともと麻薬などで陶酔状態になることを指したが、転じて「興奮させる」という意味として使われるようになった。特に、性的なアピールを感じさせるというニュアンスを含む場合が多い。
また、人以外のものを主語として使うこともある。例えば、”Reggae turns me on.”(ぼくはレゲエを聞くと心がしびれる)などと使うこともできる。

You name it. その他何でも

「何でも言ってごらん、私はちゃんと知っている[持っている]よ」と、自信をもっているときに使うフレーズが You name it. だ。例えば、”We have meat, vegetable, milk, you name it.”(肉はあるし、野菜も牛乳もあるわ。何でもそろっているのよ)と言えば、料理の材料なら困らないと自信たっぷりの気持ちが伝わるわけだ。
映画『アダムス・ファミリー』には、”Fester’s the older brother, so he gets it all — the house, the money, you name it.”(フェスターは兄だから、何でも手に入れる―家も、お金も、何でもね)というセリフが出てくる。

pop the question プロポーズする

pop the question の the question は、「結婚してくれるかい」という質問のこと。また、動詞 pop は、ここでは「(質問などを)急にする」という意味で用いられている。このことから分かるように、これは多少唐突で、おどけた感じの表現だ。
なかなか彼女にプロポーズできない友人に、”Why are you hesitating? You just gonna invite her to dinner and pop the question tonight?”(なぜためらっているの? 今夜こそディナーに招いて、プロポーズしたらいいじゃない?)と言って、けしかけてみてはどうだろう?

space out ぼんやりする

ほかのことを考えていたり、空想にふけっていて大切なことをすっかり忘れてしまうことを space out という。例えば、”Why didn’t you bring that report that I asked for?”(どうして頼んでおいた報告書を持って来なかったんだ?)と言われたときは、”Oh, I’m sorry. I completely spaced out.”(すみません。すっかり忘れてました)と答えることができる。
ただし、「相手」を主語にして space out を使うのは、よほどのことがない限り避けたほうがいい。forget(忘れる)に比べ、かなり侮辱されたように聞こえることがあるからだ。

hang out たむろする、頻繁に顔を出す

hang out とは1つの場所に多くの人が「たむろする」ことや、ある人が「よく顔を出す」ことを指す。例えば、”I’ve noticed that Japanese school girls often hang out at McDonald’s.”(日本の女子学生はマクドナルドによくたむろするってことが分かったよ)という具合。
映画『摩天楼はバラ色に』では、”Why haven’t I met you before?”(どうして私、今まであなたに会わなかったのかしら?)”Maybe you ain’t been hanging out in the mail room.”(多分、頻繁には配送室に顔を出さなかったからだよ)というセリフがある。

get the show on the road 活動を開始する

これは、「活動を開始する、計画や案などを実行に移す」という意味のフレーズだ。もともとは「劇の一座が地方の公演に出発する」ことから生まれた表現だと言われる。
映画『クレイマー、クレイマー』には、出ていった母親に代わって朝食の支度をしている父親が、子どもに向かって、”We got to get this show on the road, ‘cause I gotta shower and shave, shampoo my hair.”(さあ動き出さなきゃ、まだシャワーを浴びて、ひげをそって、髪を洗わなくちゃならないからね)と言うシーンがある。

wolf down がっつく、ガツガツ食う

wolf は名詞だと「オオカミ」という意味だ。これを動詞として使い、wolf down とすると、「がっつく、ガツガツ食う」という意味になる。オオカミが、獲物をガツガツとむさぼるように食べる姿を連想させるフレーズだ。
“My boyfriend wolfs down his whole lunch in less than three minutes.”(私のかれったら、3分もかからずに昼食をまるごとガツガツ食べちゃうのよ)のように使う。ただし、やや下品な感じのスラングなので、仲間内や気心の知れた人に対して以外は使わないほうがいい。

chew the fat うわさ話をする

chew the fat とは、世間話をすること、特に他人についてしゃべりまくることを言う。油を売りながら「ムダ話、井戸端会議をする」ことを意味し、あまり感心しないもの、というニュアンスが伴う。
映画『タッカー』では、”Who wants coffee at two in the morning? You sit there. You read the newspaper. You chew the fat with the waitress.”(ここじゃ午前2時にコーヒーを頼みたいやつはいないのか。そこに座って、新聞を読んで、ウエートレスと世間話をするようなやつがさ)というセリフが出てくる。

nose こっそりと探す、かぎ回る

『ドライビングMissデイジー』(1989年/米)は、白人の老婦人デイジーと彼女のお抱え運転手である老黒人ホークの交流を、黒人差別の実態を織り交ぜながら描いた作品。デイジーの家の写真を眺めて、ホークが「写真のある家はいいスね。家庭的な感じがするっス」というのに対して、デイジーが、”I don’t want you nosing through my things.” (私の物をあれこれ詮索しないでよ)と言い放つシーンがある。

make it 成功する

『イエロードッグ』(1994年/米)では、父親と一緒に乗っていた船が転覆し、主人公の少年と彼の愛犬イエローは見知らぬ海岸に流れ着く。救助に来る人の姿もなく、少年は悲しさをこらえてイエローを抱きしめる。そのときのセリフ、”It’s OK, Yellow. We’re going to be OK. We’re going to make it.”(大丈夫だよ、イエロー。大丈夫さ。きっと助かる)は、イエローに向かって言ったものだが、少年が自分自身に言い聞かせているようにも受け取れる。

score 手に入れる、買う

『ブラック・レイン』(1989年/米)では、アメリカから護送されてきた犯人を、大阪で誤って取り逃がしてしまったニューヨーク市警のチャーリー(アンディ・ガルシア)らが、大阪府警で長い間待たされるシーンがある。長居を覚悟したチャーリーは署員の1人に”Chief, could you score some coffee? Coffee.”(コーヒーをもらえませんかね。コーヒーです)とゆったり構えて言うのである。